2021年9月12日日曜日

森の帰りを待つために。

 舌癌で闘病中の若者、森が
また復帰して愛車に乗れるようにすべく、
魚肉に新規加入した地元の森の友人達を中心に
暫く動かしてなくて不動車になっていた
森のSRを魚肉クルーで軽くレストアしておこうとなる。


先ず所有者森の証言からトラブルを辿る。

フレームにクラックが入って、Eg掛けると盛大にオイル吹く
キックがスカスカ
サドル固定してるステーが破断してる

んでは先ず一大事なオイル吹く、これからトラブルシュートしましょうか。


では若造達よ、外装を外しましょうか。
カスタム車輛だから外したセクションのボルトナット類は
わからなくなりそうなら逐一外す前にスマホで写真ね。
あとはセクショニング毎にジップロックに表記して保管。
これが他人の車体中~長期バラシの時の基本ね。


フレームからダダ漏れの割には油っぽくないな。
まぁあの森のレポートだ、鵜呑みにするなww


暫し不動だったのでキャブは絶対詰まってる。
若い衆はそれを分解洗浄して詰まり開通させておいて。
オサーン軍団は圧縮抜けてる原因探るべく
バキュームゲージ測定とバルタイ調整、タペット調整、
あと点火の火花チェックしておくから。


真ん中のみっつももう私の店顔出す様になってから8年近く経つのか。
あの頃高校卒業間近で来た小僧が今ではちゃんとHONDAのメカニック。
両隣の新加入、伊藤君とてっぺー君はみっつに任せててもいいかな。
キャブ頼むね。

みっつが某オクで買ったくっそボロいVTZ持ち込んだのが始まりだったんだね。
2月下旬に持ち込んできたから
「いいよ、4月末あたりで終わる様に作業しておくよ~」って言ったら
「あぁ、じゃあ卒業記念ツーリングはこの汚いまま行きます」って言うので、
先に入庫してた大人のお客さんに事情説明して最優先で仕上げたんだっけ。
「一生に一度しかないメモリアルだから先にやってあげてー」
あの時快く譲ってくださったお客様には私も本当に感謝しております。
こいつら、今でもここいますwww


「今買って来たんで店の前でこれ貼ってもいいっすか!」
今では立派なメカニックっす。
貼ってる最中に「それカッコいいか?」何度も言いそうになりましたが、
嬉しそうにカスタマイズしてる青年を目の前にそれは言いませんでした。
今訊くと「あれはなかったっすね」言ってました。
立派に成長したようで安心しましたwww


あれからみっつもVTZ→NSR250→CB750FCと乗り換え。
この頃は森まだエリミネーター250っすね。
ここで感化されてエキモが製作したこのレストアしてるSRに乗り換えたんです。





さて、圧縮も幾分か戻ってキャブも洗浄したので漏れのチェック。
フレームのオイル注入口覗くとオイル空っぽ。
ではと新規オイルをとりあえず2ℓ近く注ぐ。
でもってEg始動。
ん?やっぱフレームクラック入ってないっぽいね。
どこも滲んできてないよ。
ならばどこだ?オイル漏れてるところって。

矢部がチェックがてらオイルキャップ開けて目視しようとした瞬間、
注入口から油田掘り当てたかの如くオイルが猛烈に噴き出す。
「わぁぁ!オイル多過ぎやんけ!!」
そしてEgクランクの黄色丸のブリーザーからもまろび出る。

原因判明。
フレームのオイル落下防止のボールのワンウェイバルブが壊れてる。
だから久々に乗ろうとした森がフレームから漏れてると勘違いしたのだ。
森よ、車体がオイルでびちゃびちゃになったのはフレームの亀裂ではない。
クランクのブリーザーから噴き出たのだ。
「Eg暖まってくると凄い漏れ出てくるんです!」
うん、もうオイル多過ぎが原因確定だよそれw
始動前にちゃんとオイル量点検したのは偉い。
んが、やっぱ森。
詰めが甘いwwww

取り敢えず原因は判明した。
必要なパーツをリストアップして後日続きを行う事にしよう。
というよりオイルでびちゃびちゃになった車体をみんなで拭き取ろうww

まぁ仮にも現行車だし、そこまで深刻なトラブルではなかったのは事実。
なのでトラブルシュートも比較的究明が容易でした。

息子タイジュが静岡勤務になったので、
正直これを機に新規加入は我々クルーも嬉しいよ。

取り敢えずみっつは晩飯を食えww

てっぺー君も今後よろしゅうに♪

てっぺー君は愛機がZXR250と750両方持ち。
転倒して割ったきっかけでカスタムペイント


この頃から地元でも単車乗り続けてる彼らがよく集う様になっていったんやね。
色んな連中したね。
エンフィで世界1周した青年S君もいたしね。
無事に成し得て戻ってきた時凄い男前な顔つきになってたの印象に残ってる。
偶然役所で私のジャイロ見かけた彼にインドルピーそっと挟まれたっけな。
俺のジャイロ10ルピーの価値かよ!!!」とスパークしたけど、
日本戻って来た彼の仕業だと知って超笑ったwww
彼は世界へと飛び出していったね。
こんな立川の路地裏で中々濃いメンツなのかもしれないね。

既に魚肉加入して歴の長い森、
「魚肉らしい」がイラっと来る位わかっておるw


伊藤君も今後もよろしゅうに~♪
コロナでまともに活動出来ていなかったここ2年、
森の車体のレストアがきっかけで新規と古参の初交流。

伊藤君も感化されてウチでペイントした1人

この時も同じメンツやったね(笑)



折角だから我々は別のプロジェクトも進めておきますかね。
シルバーピジョンの復活再生。
タイジュは翌日静岡へとトンボ帰り。



こっちは流石に年代物だからまだまだ時間かかりそう。
まぁいいトコまでは仕上がってます。

で、後日。
若造達がちまちまとせっせと仕上げに勤しむ。
そこに緊急打電。
「すんません!!ブレーキ握ったらタイコちぎれてどっか行きました!!」


てっぺー君が切腹自害しそうな勢いで土下座してる画像が届く。
うん、それはてっぺー君のせいじゃない。
ドントウォーリー、ビーハッピーww


「今からナップス行ってワイヤー買ってきます!!」
「てっぺー君落ち着くんだ。
森のSRはカスタム車だからそのワイヤーはワンオフ制作だ。
要するに巷では売ってない」
「腹斬ります!!!」
いいから落ち着け、青年www


「取り敢えず落ち着いてレバーの方の穴径ノギスで計測しておいて」
その寸法確認してその日の夜に勤務明けのこんちゃんが
そのまま車走らせてジーザスの家へ。
ジーザスその寸法でタイコを旋盤で製作。
でもってインナーケーブルにタイコをハンダ付け。

その日の未明にこんちゃんが魚肉ガレージへと戻す。
魚肉、そういう時だけはフォーメーション早い(笑)

数日後、伊藤君からもレポート入る。
「サビだらけだったマフラー塗っておきました!ヴォェエェェェッッ!!」
「どうした⁉」

「いえ、雨だったんでガレージの中で吹きました!!
ヴオェェエエエェェッッ!!!」
うん、取り敢えずシャッター全部開けて換気しようかwwww



かくして森のSR、みちがえりました。

元々ビンテージレーサーがコンセプトなので、
綺麗にすべき所と放置すべき所の「匙加減」が若造らには難しかったようですが(笑)

「キックペダルぴっかぴかになりました♪」
「うん、そこは黒鉄化してたから今後これで赤さびだらけになるねw」
「ハンドルとリアフェンダーステーが凄く曇ってるんですが」
「うん、それはニッケルメッキだから磨いたら下地の銅メッキこんにちはだね」
まぁ残りは彼らも「匙加減」把握したようで、結構スムーズにw


もう乗るのは難しいかもしれない。
だけどせめてEg音だけでもまた聴かせてあげられるべく
なるべく早めにそっち持って行くよ、森。